【愚かな農夫】タルムード 子どもの個性を大切にする

あるところに愚かな農夫がいた。

耕作用の牛と荷物運搬用のロバに同じくびき(車を引くために使う横木)をつけて、牛とロバを一緒に進ませようとした。

 

しかし、牛とロバは足並みが合わず、歩みを止めてしまった。

 

農夫は「なぜ二匹とも動かないのだ」と怒り、牛とロバを鞭で打ち続けた。

そのために、牛もロバも死んでしまい、新しく買わなければならなかった。

 

それでも農夫は、自分の間違いに気づかず、牛とロバに同じくびきをつけ、鞭打ちをやめなかったので、生涯貧しい暮らしから抜けられなかった。

 

 

子どもの個性を大切にする―横並びの教育の重大な問題点

聖書の記述にはこうある。 「牛とロバとを同時に一つのくびきにかけ、鋤を引かせてはならない。ウールと亜麻糸を混ぜて布を織ってはならない」

牛とロバに同じくびき(一律教育)をはめても、うまく畑を耕せないどころか、二匹とも疲れてしまう。

 

ユダヤでは一対一の家庭教育が中心となり、子どもの学習スタイルは一人一人違う。

人と違うことは最もユダヤ的なことなのである。

こうした教育が、ノーベル賞受賞者を次々と生み出している基盤になっていると思います。

世代から世代へ、母親から子どもへ、子どもから孫へと伝えられるゆるぎない価値観、論理観、それが財産なのである。 教育によって伝えられた目に見えない財産は、誰にも奪うことはできない。

だからユダヤ教では、教育と知恵の伝承を大切にしているのである。